八州廻りを題材にしたシリーズ「八州廻り桑山十兵衛」の副読本的に読むと面白いです。
八州廻りとは関東取締役出役の通称で、公事方奉行の支配を受けています。江戸の町で考えれば、南北の町奉行に対して、与力・同心がいます。
この与力・同心をイメージすれば良い感じです。この八州廻りも十手をもっており、江戸の町奉行と握り手の色が違っていました。
この、八州廻りは江戸を除く関八州がテリトリーになっていますが、あまりにテリトリーが広いので手下を使っていました。これが、本書に出てくる”道案内”です。江戸で考えればいわゆる岡っ引きに相当します。
この道案内の実像が、画かれている小説と考えれば、「八州廻り桑山十兵衛」シリーズを読む際に、さらなる面白さを加えてくれるでしょう。
内容/あらすじ/ネタバレ
網元の親方でかつ博奕打ちの親分であり、八州廻りの道案内として十手ももっていた飯岡ノ助五郎。二足のわらじを履く助五郎だったが、笹川ノ繁蔵はそんな助五郎の縄張りを狙っていた。
助五郎は一計を案じ、八州廻りの命で繁蔵を捕まえようとする。が、逆襲され味方に死傷者が出る始末。どうしたものかと考えあぐねる助五郎だが。
講談、浪花節、映画、芝居、歌謡曲に取り上げられた「天保水滸伝」を新たな視点から捉えた小説。
本書について
目次
逃げの達人
返り討ち
吟味中入牢
首のない死骸
無法の限り
助ァどうした
登場人物
飯岡ノ助五郎
永井ノ政吉
信方ノ石松
笹川ノ繁蔵
夏目ノ新助
小南ノ庄助
勢力富五郎
清滝ノ佐吉
平手造酒
桑山圭介