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藤沢周平の「小説の周辺」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと区分けされており、Ⅰが藤沢周平が住んでいる場所や日常の風景を綴ったもので、Ⅱが郷里のことを綴ったものとなっている。

Ⅲは小説についての背景などを綴っているが、多くは俳句の『海坂』や長塚節、小林一茶など、俳句に関することとなっている。

【ピックアップ】

「碁の個性」

「野口昴明さんの碁」

他のエッセーにも度々書かれているが、藤沢周平の碁好きが伺える。

「心に残る人びと」

「再会」

肺結核の治療のために上京して過ごした篠田病院のことが書かれている。藤沢周平を知る上では、この肺結核の事を避けて通れないが、自身の当時の心境などが綴られているのが興味深い。

『長塚節・生活と作品』

『海坂』、節のことなど

小説「白き瓶」の周囲

「白き瓶」を巡る様々なことが書かれている。当初予定していなかった伊藤左千夫へのクローズアップや、斎藤茂吉の登場など…。

「読書日記」

「ミステリイ読書日記」

ミステリ好きの藤沢周平の読書録である。忙しい執筆の間に結構な冊数のミステリイを読んでいることが分かる。

「一枚の写真から」

「転機の作物」

初期の藤沢周平作品は内容的に暗いものがあった。初期の小説は物語の中に自身の鬱屈した気分を流し込んだものとなっており、いわば、私小説といってよいものであった。だが、「用心棒日月抄」からは内容に変化が見られ始めていることを自身の口で語っている。

それは、自然に入り込んできたユーモアの要素がそうさせたと語っている。

「海鳴り」の執筆を終えて

市井ものの長編を書きたいと考えて書かれたものが「海鳴り」であるが、言われてみれば、この作品ぐらいしか市井ものの長編はないかもしれない。

小説「一茶」の背景

一茶とその妻たち

小林一茶を描いた「一茶」についてかかれている。

本書について

藤沢周平
小説の周辺
書かれた時期:1973年11月-1986年8月
刊行:1986年12月
文春文庫 約二五〇頁

目次


「どうだん」の花
のど自慢風景

暑い夜
冬籠り
正月はぼんやりと
碁の個性
生きていることば
小川町
剰余価値
歯痛とスポーツ
野口昴明さんの碁
駅前旅館
森林浴
三軒目の先生
笑う写真
屋根の雪
郵便局の角で
山峡の道
歳末の身辺
江戸崎まで
ポーのこと
冬の散歩道

アップアップ
「都市」と「農村」
心に残る人びと
鈍行列車
霧の羽黒山
再会
町角の本屋さん
村の遊び
サチコ
帰郷
緑の大地
雑煮のこと
U理髪店
ボレロ

『長塚節・生活と作品』
北ホテル
「秋日」
グレアム・グリーン
読書日記
ミステリイ読書日記
わが青春の映画館
映像と原作
芝居と私
混沌の世界
徳川家康の徳
大石内蔵助随想
寺��x82伝説の周辺
「冥い海」の背景
一枚の写真から
転機の作物
「密謀」を終えて
「海鳴り」の執筆を終えて
書きにくい事実
間違い
小説「一茶」の背景
一茶とその妻たち
『海坂』、節のことなど
心に残る秀句
稀有の俳句世界
青春と成熟
小説「白き瓶」の周囲

あとがき