略歴
(1927-1997)藤沢周平。作家。山形県鶴岡市生まれ。山形師範学校卒業。業界紙の編集長を経て作家生活に入る。
- 1971年「溟い海」で第38回オール讀物新人賞。
- 1973年「暗殺の年輪」で第69回直木三十五賞。
- 1985年「白き瓶-小説・長塚節」で第20回吉川英治文学賞。
- 1989年「市塵」で第40回芸術選奨文部大臣賞。作家生活全体の功績に対して第37回菊池寛賞。
- 1994年朝日賞、第10回東京都文化賞。
- 1995年、紫綬褒章。
作品について
架空の藩、海坂藩(うなさかはん)を舞台にした小説が有名です。
海坂藩は、藤沢周平の故郷である山形の庄内平野を舞台にしています。
この海坂藩を舞台にした小説以外にも多数の小説を発表しています。
藤沢周平の最大の特徴として、それぞれの作品の水準が極めて高いことが上げられるでしょう。つまり、ハズレが極めて少ない作家です。
藤沢周平は決して筆の早いほうではなかったので、その分練りに練って作品を書いていたのではないでしょうか。
そして、その結果として書き上げられる小説は、超一流の職人の作った家具と同様に、派手さはないかも知れませんが長い間読まれるものになりました。
また、作家に好まれる作家でもありました。有名な作家の中でも藤沢周平ファンは多いのです。
司馬遼太郎に池波正太郎と藤沢周平をあわせて「一平二太郎」と呼ぶ人もいます。
時代小説だけに限らず、歴史小説や伝記も多数書いています。
「一茶」「回天の門」「密謀」「市塵」「決闘の辻(藤沢版新剣客伝)」「漆の実のみのる国」「白き瓶-小説-長塚節」「義民が駆ける」「雲奔る-小説・雲井龍雄」がそうした作品群です。
短編集の「夜の橋」「逆軍の旗」「長門守の陰謀」の中にも含まれています。
エッセーとしては「ふるさとへ廻る六部は」「半生の記」「周平独言」「小説の周辺」「早春」「藤沢周平の世界」があります。
個人的には「風の果て」の映画化を期待しています。
「映画化」された作品
2002年映画「たそがれ清兵衛」
2004年映画「隠し剣鬼の爪」
2005年映画「蝉しぐれ」
2007年映画「武士の一分」
2008年映画「山桜」
2010年映画「花のあと」
2010年映画「必死剣鳥刺し」
2011年映画「小川の辺」
オススメの藤沢周平7作品+1シリーズ
作品一覧
私が把握している藤沢周平の作品一覧です。
注1)作品によってはダブっているもの(出版社の変更にともなう題名の変更など)もあるとは思いますが、確認が取れたものから順次修正を加えてゆく予定です。
注2)漏れている作品もあるとは思いますがご容赦下さい。なお、漏れている作品についてご教示頂けるとと幸いです。
「海坂藩もの」が収録されている作品
用心棒日月抄シリーズ
獄医立花登手控えシリーズ
彫師伊之助捕物覚えシリーズ
隠し剣シリーズ
歴史小説や伝記
他の作品
- 天保悪党伝
- 闇の歯車
- たそがれ清兵衛
- 橋ものがたり
- 時雨のあと
- 時雨みち
- 春秋山伏記
- 神隠し
- 霜の朝
- 本所しぐれ町物語
- 龍を見た男
- 驟り雨
- よろずや平四郎活人剣
- 闇の傀儡師
- 花のあと
- 海鳴り
- 喜多川歌麿女絵草紙
- 暁のひかり
- 玄鳥
- 三屋清左衛門残日録
- 日暮れ竹河岸
- 麦屋町昼下がり
- 秘太刀馬の骨
- 風の果て
- 又蔵の火
- 霧の果て-神谷玄次郎捕物控-
- 夜消える
- 藤沢周平未刊行初期短篇
エッセー
他に「藤沢周平の世界」があります。