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五山(臨済宗の寺格)

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禅宗の臨済宗の寺院を格付けをする制度。

鎌倉幕府の五代執権、北条時頼の頃、中国の五山の制に倣って導入したのが始まり。その時々に応じて入る寺院や順位などが変動した。

最終的には、京都と鎌倉にそれぞれ五山、その上に「五山之上(ござんのうえ)」という最高寺格として南禅寺が置かれた。上位より、五山・十刹・諸山・林下に区分された。

また、尼寺の格式を表すため制定された臨済宗の寺格として鎌倉尼五山と京都 尼五山 がある。

鎌倉五山

第1位 建長寺

建長寺の参詣記-歴史と見どころ紹介(神奈川県鎌倉市)鎌倉五山第一位[国宝][国の史跡][国の名勝]
建長寺の紹介と写真の掲載。国の史跡および名勝に指定されている方丈の裏。広い廊下から庭園を眺める。春先に来れば、もっと綺麗だったろうに・・・季節は秋。建長寺(けんちょうじ)。鎌倉五山の第一位。

建長寺(けんちょうじ)は臨済宗建長寺派の大本山。正式には巨福山建長興国禅寺(こふくさんけんちょうこうこくぜんじ)。

鎌倉時代の建長5年(1253年)の創建。本尊は地蔵菩薩。開基は鎌倉幕府第5代執権北条時頼。開山は南宋の禅僧蘭渓道隆(大覚禅師)。境内は「建長寺境内」として国の史跡に指定。

第2位 円覚寺

臨済宗大本山・円覚寺の参詣記-歴史と見どころは?(神奈川県鎌倉市)[国宝-国の史跡-国の名勝]
臨済宗大本山の円覚寺の山門と仏殿の紹介と写真の掲載。北鎌倉駅すぐそばにあるので、まず立ち寄ってみたいところ。すぐに総門に向かうのではなく、線路の手前から参道が始まるので、そこからスタート。

円覚寺(えんがくじ)は臨済宗円覚寺派の大本山。正式には瑞鹿山円覚興聖禅寺(ずいろくさんえんがくこうしょうぜんじ)。

鎌倉時代の弘安5年(1282年)に創建。本尊は宝冠釈迦如来。開基は北条時宗。開山は無学祖元(仏光国師)。

第3位 寿福寺

寿福寺の参詣記-歴史と見どころ紹介(神奈川県鎌倉市)鎌倉五山三位と北条政子,源実朝の墓[国の史跡]
寿福寺(鎌倉五山三位)の紹介と写真の掲載。総門を入ってから中門までの、参道が美しい。鎌倉で最も美しい石畳といわれているそうだ。

寿福寺(じゅふくじ)は臨済宗建長寺派の寺院。正式には寿福金剛禅寺。

本尊は宝冠釈迦如来。開基は北条政子。開山は栄西。境内は「寿福寺境内」として国の史跡に指定。

第4位 浄智寺

浄智寺の参詣記-歴史と見どころ紹介(神奈川県鎌倉市)鎌倉五山第四位と鎌倉・江の島七福神(布袋尊)[国の史跡]
浄智寺(鎌倉五山第四位)の紹介と写真の掲載。五代執権北条時頼の三男宗政の菩提を弔うため、夫人と子師時が創建した。鎌倉江ノ島七福神の一である布袋の石像をまつる洞窟がある。

浄智寺(じょうちじ)は臨済宗円覚寺派の寺院。本尊は阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒如来の三世仏。開基は北条師時。開山は南洲宏海、大休正念、兀庵普寧の3名。境内は「浄智寺境内」として国の史跡に指定。

第5位 浄妙寺

浄妙寺の参詣記-歴史と見どころ紹介(神奈川県鎌倉市)鎌倉五山五位と足利直氏の墓[国の史跡]
浄妙寺(鎌倉五山五位)の紹介と写真の掲載。鎌倉市の東部にある。境内は南に開けた谷の中央にあり、西に杉本寺と杉本城址、東は胡桃ヶ谷(くるみがやつ)があり、南に衣張山を望む。

浄妙寺(じょうみょうじ)は臨済宗建長寺派の寺院。正式には「稲荷山浄妙廣利禅寺」。

本尊は釈迦如来。開基は足利義兼。開山は退耕行勇。

鎌倉尼五山

鎌倉尼五山(かまくらあまござん)で現存するのは第二位の東慶寺のみであとは廃寺。

第一位:太平寺

太平寺は西御門の八雲神社付近にあった。

弘安5年(1282年)ころ、相模国の豪族の娘妙法尼が釈迦如来像を祀り、8代執権北條時宗の招きにより宋から来朝した大休正念を導師として仏殿供養を行ったのがはじまり。室町時代初期に、足利基氏の未亡人清渓尼が中興し、鎌倉尼五山第一位となった。

その後、里見義弘率いる水軍が弘治2年(1556年)に鎌倉に攻め込んだ際、足利義明の娘青岳尼が安房国に渡ったため廃寺となった。北鎌倉の円覚寺の国宝・舎利殿は、太平寺の仏殿を移したもの。

第二位:東慶寺

東慶寺の参詣記-歴史と見どころは?(神奈川県鎌倉市)江戸時代に縁切り寺として知られたお寺

多くの時代小説で登場する縁切り寺である。江戸時代には群馬県の満徳寺と共に幕府寺社奉行も承認する縁切寺として知られた。女性の離婚に対する家庭裁判所の役割も果たしていた。

東慶寺(とうけいじ)は開山以来明治に至るまで本山を持たない独立した尼寺だった。

室町時代後期には住持は御所様と呼ばれ、江戸時代には寺を松岡御所とも称した特殊な格式のある寺だった

第三位:国恩寺

国恩寺は東慶寺の門前にあったが、廃寺。

第四位:護法寺

護法寺は荏柄天神社の傍らにあった。

第五位: 護法寺

護法寺は廃址・廃年ともに未詳。正確な場所が判明していない。報国寺か衣張山付近といわれている。

京都五山

別格:南禅寺

南禅寺(なんぜんじ)は臨済宗南禅寺派の寺院。正式名は瑞龍山太平興国南禅禅寺。

山号は瑞龍山。寺格は大本山で京都五山及び鎌倉五山の別格上位。創建年は正応4年(1291年)。開山は無関普門。開基は亀山法皇。境内が国の史跡、方丈庭園が国の名勝に指定。

第一位:天龍寺

天龍寺の参詣記-歴史や見どころは?(京都府京都市)足利将軍家と後醍醐天皇ゆかりの禅寺
足利将軍家と後醍醐天皇ゆかりの禅寺です。南北朝時代の暦応二年(一三三九)足利尊氏・直義が後醍醐天皇の冥福を祈るため仙洞御所亀山殿の跡に建立されました。開山は夢窓国師。はじめ暦応寺と称しましたが、同四年現在名に改められました。夢窓国師作の庭園...

天龍寺(てんりゅうじ)は臨済宗天龍寺派の寺院。正式名は霊亀山天龍資聖禅寺。

山号は霊亀山(れいぎざん)。大本山、京都五山一位。創建年は康永4年(1345年)開基は足利尊氏、夢窓疎石(開山)。庭園が特別名勝・史跡に指定されており、世界遺産にも指定されている。

第二位:相国寺

相国寺(しょうこくじ)は臨済宗相国寺派の寺院。正式名は萬年山相国承天禅寺。

山号は萬年山。大本山、京都五山二位。創建年は永徳2年(1382年)。開山は夢窓疎石。開基は足利義満。

第三位:建仁寺

建仁寺(けんにんじ)は臨済宗建仁寺派の寺院。正式名は東山建仁禅寺。

山号は東山(とうざん)。大本山、京都五山三位。創建年は建仁2年(1202年)。開基は源頼家、栄西(開山)。

第四位:東福寺

東福寺(とうふくじ)は臨済宗東福寺派の寺院。正式名は慧日山東福禅寺。

山号は慧日山。大本山、京都五山四位。創建年は嘉禎2年(1236年)。開基は円爾、九条道家。本坊庭園が国の名勝に指定されている。

第五位: 万寿寺

万寿寺(まんじゅじ)は臨済宗東福寺派の寺院。

東福寺塔頭、京都五山五位。創建年は平安時代後期。開基は白河上皇。

京都尼五山

第二位の護念寺以外は廃寺。

第一位: 東福寺

東福寺は京都市上京区西五辻東町(五辻大宮とも)にあった臨済宗の尼寺。廃寺。

開創は建治3年(1277)、開山は如大尼。室町時代に栄えたが、廃絶した。末寺に宝鏡寺がある。

第二位:護念寺

護念寺は浄土宗の寺院。京都尼五山の一つ。

第三位:檀林寺

廃寺。

第四位:恵林寺

廃寺。

第五位:通玄寺

廃寺。曇華院と合併した。