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楠木誠一郎の「甲子夜話秘録 第2巻 狐狩り」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント抜け荷を探るために隠居を余儀なくされた松浦静山。その手掛かりは中々つかめないでいる。一方で、前回静山らの前に現れた鼠小僧一味。その首領が言い残したのは、鼠小僧が滅んでも、悪は滅びない、といった内容だった。今回、その言葉を...
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楠木誠一郎の「甲子夜話秘録 第1巻 鼠狩り」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント松浦静山(まつらせいざん)。題名にもなっている「甲子夜話(かっしやわ)」を書いた人物である。甲子夜話が書かれ始めたのは静山が六十二歳の十一月十七日甲子(きのえね)の夜で、死ぬまで書かれた。甲子夜話は江戸時代の社会風俗を知...
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北重人の「夏の椿」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント「蒼火」の続きとなる立原周之介もの。舞台は田沼時代末期。あることを探ろうとしていた甥の定次郎が殺されて見つかった。一体、定次郎はなにを探ろうとしていたのか。甥殺しを追いかけていくうちに、浮かび上がってきたのが柏木屋という...
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加藤廣「信長の棺」の感想とあらすじは?

本能寺三部作。他は「秀吉の伽」「明智左馬助の恋」である。本能寺で死んだ織田信長は、明智光秀の必死の捜索にもかかわらず、遺骸がとうとう出てこなかった。そのため昔から色んな説がでた。
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菊地秀行の「幽剣抄 第1巻」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント摩訶不思議なこの世のものとは別の「何か」を主題において書かれている短編集。九つからなる短編集であるが、五つの短編と、間をつなぐ四つの掌編小説からなっていると考えた方がいいかもしれない。ホラーというよりは幽玄な世界観を見せ...
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海道龍一朗の「北條龍虎伝」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント「後北條龍虎伝」改題。惜しい作品。「河越夜戦」もしくは「河越城の戦い」として知られる合戦に至るまでの北條氏綱・北條氏康親子と北條綱成を描いている。河越夜戦は厳島の戦いや桶狭間の戦いとともに日本三大奇襲に数えられている。な...
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久世光彦の「逃げ水半次無用帖」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント『悲しい光景は、どうしていつもきれいなのだろう。』悲しい光景だけでなく、淫靡な雰囲気の中に少々の猟奇的な世界観というのもきれいである。きれいというよりむしろ耽美的と言ったほうがいいのだろう。怪奇ものが淫靡なものと非常に相...
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風野真知雄の「奇策 北の関ヶ原・福島城松川の合戦」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント関ヶ原の合戦がたった一日で勝敗がついたあと、東北では伊達政宗が上杉景勝の領土をかすめ取ろうとしていた。その時の伊達家と上杉家との攻防となる「松川の合戦」を描いた小説。主役は本庄繁長である。「松川の合戦」は関ヶ原の戦いに関...
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風野真知雄の「耳袋秘帖 第9巻 人形町夕暮殺人事件」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第九弾。今回は根岸肥前守鎮衛がおかしい。体調の悪さから普段のキレが全くなく、なにやらぼんやりしている。一体どうしたというのか?そんな中、不可解な殺人が三件起きる。それぞれが密接に絡んでいるようにしか見えないもので...
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風野真知雄の「大江戸定年組 第7巻 神奧の山」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント初秋亭の扁額を掲げて一年半以上。鮫蔵が刺されてから五ヶ月以上。いよいよ謎の宗教集団「げむげむ」を巡る物語のクライマックスである。一方で、女房たちの商売は商売人の仁左衛門も呆れるくらいに上手くいっている。仁左衛門の嫁・おち...
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海音寺潮五郎の「さむらいの本懐」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントごく短い小説「献上の虎」があって、他がそれぞれほぼ等分となっている。「献上の虎」だが、書名を逸しているが、題材があるという。「勝海舟」は約一五〇頁と全体の約半分を占めており、その一生を書いている中編である。『勝を利にさと...
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海音寺潮五郎の「田原坂 小説・西南戦争」を読んだ感想とあらすじ

西南戦争を扱った短編集。様々な角度から西南戦争を浮かび上がらせ、その悲劇性を訴える。海音寺潮五郎氏の作品をはじめて読まれる方にはお薦めしたい一冊である。
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海音寺潮五郎の「江戸城大奥列伝」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント三代将軍家光から六代将軍家宣までの時代の江戸城の大奥を扱った史伝。大奥はその時々により表へのさばり、または内部で権力闘争を繰り広げたりする。それを延々と繰り返すので、読んでいる内にだんだんとウンザリしてしまった。大奥の研...
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海音寺潮五郎の「江戸開城」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント江戸城の明け渡し前後を描いた作品。徳川の代表としての勝海舟と官軍の代表としての西郷隆盛を軸に書かれている。勝海舟については非常に好意的に書かれている。海音寺潮五郎氏が西郷隆盛が大好きなのは知られる所だが、勝海舟という人間...
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五味康祐の「柳生武芸帳」を読んだ感想とあらすじ

面白い作品なのですが、わかりやすい小説ではありません。未完に終わった作品です。小説としては、寛永十二年(一六三五)~寛永十三年(一六三六)までの、わずかな期間しか書かれていませんが、それでも壮大な印象を受ける稀有な作品です。
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風野真知雄の「水の城 いまだ落城せず」を読んだ感想とあらすじ

豊臣秀吉の小田原征伐の時に、最後まで落ちなかった忍城(おしじょう)攻防戦を描いた作品。石田三成が水攻めをして失敗したことで有名となった城である。とても面白い題材で、忍城を一度見に行ってみたい気にさせられた。

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風野真知雄の「大江戸定年組 第6巻 善鬼の面」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント前作で殺されたと思った鮫蔵が何とか生きていた。だが、心に深い傷を負ってしまい、再起には時間がかかりそうだ。その鮫蔵の過去が本作で語られる。鮫蔵はかつて神谷久馬といった。八王子の山同心の家柄だ。鮫蔵はまだ見習いの時、山同心...
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海道龍一朗の「乱世疾走 禁中御庭者綺譚」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント丸目蔵人佐長恵物語の早い段階で、上泉伊勢守信綱が登場することから、「真剣」の続編かと思ってしまった。丸目蔵人佐長恵が登場したので、「ははーん、今度は丸目蔵人佐長恵を主人公とした剣豪小説か」と思ったのだが、それにしても、題...
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風野真知雄の「陳平」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント陳平。前漢の功臣の一人である。高祖劉邦を助け、簫何、韓信、張良らとともに劉邦に天下を取らせた。確かにこれはそうなのだが、むしろ、劉邦が皇帝になり、また、劉邦の死後の動きの方が陳平の最大の功績ではないだろうか。呂氏一族に握...
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風野真知雄の「馬超」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント三国志を彩る英雄の一人、「錦馬超」の渾名で知られる馬超を取り上げた小説。常に馬超の視点に立って描かれ、余計な記述がないのがいい。もちろん転換期となる重要な事件は書かれているが、要点だけを書き、そちらに脱線することがない。...