蘇我駅から歩いて15分くらいです。
この一帯を蘇我と呼ぶことになる由来の神社になります。
蘇我というと、古墳時代から飛鳥時代に勢力を誇った豪族で、近畿に勢力を持っていました。
ですので、なぜに千葉県に蘇我の名前があるのだろうか?と常々思っていました。
住宅地の中にある神社で、残念ながら寂れており、古社としての趣がありません。
由緒ある式内社といえども、歴史の波には勝てず、廃れていくということでしょうか…。
日本武尊(やまとたけるのみこと)ゆかりの神社ですので、期待していたのですが・・・。
蘇我比咩神社(そがひめじんじゃ)の歴史
延喜式神名帳には「下総国千葉郡 蘇賀比咩神社」と記載され、小社に列しています。
神話の時代、海は蘇我比咩神社のすぐ側まで来ていました。
日本武尊の東征の時、相模(神奈川県)から総国(千葉県)へ向かうと暴風雨に遭い前に進めなくなりました。
暴風を鎮めるために日本武尊の后の弟橘姫が入水し、弟橘姫に付き従ってきた5人の女性も一緒に入水しました。
その一人に、蘇我大臣の娘の蘇我比咩がおり、比咩だけが浜に打ち上げられ、里人の看護により蘇生し、都に帰ることができたといわれます。
そして、後に里人は、日本武尊が帰途に亡くなったことを聞き、その霊を慰めるために社を建てて祀りました。
応神天皇は里人に感激し、蘇我一族をこの周辺の国造として派遣しました。
蘇我氏は春日大社と比咩神社を信仰しており、両社を勧請して蘇我比咩神社を創建したといわれます。そして、この一帯を蘇我というようになりました。
別の伝承もあります。
浜に打ち上げられ蘇生したのは、蘇我大臣の娘の蘇我比咩ではなく、日本武尊の后の弟橘姫だというのです。
弟橘姫が「我、蘇(よみがえ)り」と言ったので「蘇我」という地名となったともいわれます。
この伝承は橘樹神社の伝承と矛盾します。
蘇我比咩神社(そがひめじんじゃ)は、蘇我比咩大神と千代春稲荷大神を主祭神とし、天照皇大神・春日神(経津主神・武甕槌神・天児屋根神・天児屋根比売神)・八幡神(応神天皇・比咩大神・神功皇后)を配祀しています。
中世には春日神が信仰の中心となっており、春日大明神と称していました。
千五百年前に遡る歴史
当社は、今から千五百年前から建てられていたといわれています。
古記によりますと、第十二代景行天皇の皇子であらせられた日本武尊命が東国地方を統一すべく勅命を受け弟橘姫を始め多数の家来を引きつれ軍船に乗りて、千葉沖に差しかかったとき、風雨が強くなり船は進まず沈没の危険にあいました。このとき弟橘姫は「龍神の怒りに触れた」とこれを静め和げんと同道して来た五人の姫達と共に身を海中に投じました。そして日本武尊命は、無事航海をつづけられたそうです。蘇我大臣の娘
身を投じた五人の姫の中に蘇我大臣の娘たる比咩がおり、この方がこの下の海岸に打ち上げられました。里人等の手厚い看護で蘇生することが出来た。そして無事に都に帰ることが出来、無事に都に帰りました。又里人達は日本武尊命が日嗣の皇子でありながら東征の途中にて崩ぜられ皇位を継承するに及ばなかった事を聞き及び、その霊をなぐさめんと社を建て神として祭りました。この里人等の行為に深く感激した第十五代応神天皇は、特別の命により蘇我一族をこの周辺の国造として派遣し政治をおこなわせました。蘇我一族は、代々「春日神社」「比咩神社」を守護神としており、両神社の御分霊をいただき「蘇賀比咩神社」を建立しました。「延喜式巻九神祇神名帳千葉郡記載。」その徳は山より高く海より深く「春日様」「下総の国香取神明様」と下総の国の守護神として人々に敬神されました。
江戸時代以降
江戸時代には、徳川家康も敬神され一〇石を献上しました。この所は江戸又上総、香取への街道の要所にもあたり参勤する大名また人々の集まる宿場町であったため参詣する賑わいをみせました。明治五年社格郷社となり皇室国家の守護となり皇族の尊宗をうけ参拝もあり、御手植の松もありましたが、明治の大火事で神社も社宝、古文書、御手植の桧すべて焼災してしまったが今もって海難防止、民政安定、家運繁栄、五穀豊穣、諸病消除、延命息災など神威をこよなくあらたかな神として近隣の人々に敬拝されています。
https://www.sogahime.com/
蘇我比咩神社の見どころ
鳥居と手水舎
石碑
本殿・拝殿と茅の輪
茅の輪。蘇民将来の説話に由来する行事です。蘇民将来はスサノオと習合しているので、スサノオの神事と言っても良いかもしれません。
末社
大三輪神社と大山阿夫利神社
境外社?
三峯神社
蘇我比咩神社の概要
社格等
古代社格制度 | 式内社 |
中世社格制度 | ― |
近代社格制度 | 郷社 |
現代の制度 | ― |
創建 | 不詳 |
主祭神 | 蘇我比咩大神 千代春稲荷大神 |
備考 | 本殿の様式 流造 例祭 10月9日 |
公式ページ
地図
所在地: 〒260-0822 千葉県千葉市中央区蘇我2丁目2−7
電話: 043-261-3450