
藤沢周平の紹介と作品・著書群
藤沢周平の作品を紹介しています。映画化された作品も数多くあります。また、藤沢周平の作品には故郷である山形の庄内平野を舞台にした架空の藩・海坂(うなさか)藩が多く登場します。
歴史上の事件を扱った短編集である。「逆軍の旗」は明智光秀を扱い、「上意改まる」「二人の失踪人」は藤沢周平の郷里の歴史を題材にとったものである。最後の「幻にあらず」は上杉鷹山を主人公とした短編である。
直木賞受賞後の作品二編と、受賞前の作品三編を収録した短編集。藤沢周平の初期の短編集とあって、全体的に暗さの目立つ作品集となっている。
老境にさしかかってから見える小さな希望が、この作品にはある。だが、それでも、この作品からは老境の悲哀が消え去ることはない。だからこそ、素晴らしい作品であると思う。