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日本史

作家は行

本郷和人「乱と変の日本史」の感想と要約は?

12世紀後半から16世紀後半までの約400年、鎌倉時代・室町時代を日本史における「中世」と言います。この中世に、乱と変が多く発生します。その理由を著者は中世が「武士の時代」であり、彼らによる異議申し立てが頻発したからです。乱と変の日本史 p...
作家あ行

大塚英志監修、山本忠宏編「まんが訳 酒呑童子絵巻」の要約と感想は?

絵巻を現在のまんがの手法を使って、作り直したもの。従来の絵巻の紹介手法と異なり、見やすいし、読みやすい。紹介されているのは3つの絵巻。「酒呑童子絵巻」「道成寺縁起」「土蜘蛛草子」。「酒呑童子絵巻」「土蜘蛛草子」は「鬼」に関する絵巻である。酒...
作家は行

馬場あき子「鬼の研究」の要約と感想は?

著者の馬場あき子は「伊勢物語」の「業平の女を喰った鬼の話」末尾の「それをかく鬼とはいふなりけり」という含みのある一文に出会って、鬼とはやはり人なのであり、さまざまな理由から鬼と仮に呼ばれたに過ぎないと感じるようになったと述べています。
作家か行

小松和彦「鬼と日本人」の要約と感想は?

鬼とは何か一般的に、「オニ」は「穏(おん)」つまりは隠れていて見えない神霊であり、死霊を意味する中国の漢字「鬼」と結びついて重ね合わさった概念である、と説かれます。これは「鬼」の語源であり、「鬼」の多様化した概念を適切に表現したものではあり...
作家は行

本郷和人「日本史のツボ」の要約と感想は?

本書は日本通史を七大テーマで俯瞰することを目的としている。七つのテーマとは「天皇」「宗教」「土地」「軍事」「地域」「女性」「経済」である。筆者の専門は中世。この時代を扱った歴史学の学説は二つ。「権門体制論」と「二つの王権論」である。前者は建...
作家や・ら・わ行

安丸良夫「神々の明治維新―神仏分離と廃仏毀釈―」の要約と感想は?

廃仏毀釈は1,000年以上の年月を経て日常にしみついた宗教観を、ごく一部の者がズタズタに引き裂いた。それゆえに混乱と恐怖を巻き起こしたのは当然だった。廃仏毀釈を、仏教が伝来する前の古代への復古主義としての反動とみることもできるかもしれない。...
作家あ行

義江彰夫「神仏習合」の要約と感想は?

明治初期における廃仏毀釈により、現在では神仏が分離しています。神社は神社で、寺院は寺院です。ですが、日本の宗教観は、1,000年以上の長い時間をかけて、神祇信仰と仏教が融合した神仏習合がベースにあります。神仏習合は神仏混淆ともいいます。一見...
作家や・ら・わ行

山本博文監修の「あなたの知らない栃木県の歴史」を読んだ感想

栃木県の歴史について、全70項目を数名の執筆陣が書き寄せた一冊。監修は山本博文氏だが、項目ごとの文章のレベル感がまちまちで、全体の統一感に欠けている。
作家か行

北嶋廣敏の「知識ゼロからの大江戸入門」を読んだ感想

覚書/感想/コメント昔々、高校受験か大学受験だったか、こうした本を買ったことがある。見開きの半分はマンガやイラストというやつだ。実際のページ数は総ページ数の半分。何の役にも立たなかったことを思い出した。本来、図やイラストはとても役に立つもの...
作家あ行

安藤優一郎の「大江戸お寺繁昌記」を読んだ感想

覚書/感想/コメント江戸の町は70%が武家町で、15%が寺社町、15%が町人町だった。武家町は江戸城を囲むようにして展開し、町人町は東側に位置した。寺院と神社を比べると寺院の勢力が強く、大半は寺院の境内地だった。今でいう、台東区と港区に寺院...
作家さ行

鈴木理生「えどちりクエスチョン 其の二 江戸のしくみ編」の感想と内容は?

本書で扱うのは「まち」です。江戸には様々な性質の「まち」が混在していました。武家地、寺社地、町地です。それに「片町」という異形の町もありました。こうした「まち」の性質を解き明かしていくのが本書の狙いです。江戸の主な商人は上方出身でした。そし...
作家さ行

鈴木理生の「えどちりクエスチョン 其の一 江戸のかたち編」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント江戸の地理をクイズ形式で解説。答えは一つとは限らず、二つ・三つのこともある。クイズに答えるというよりは、その答えを読んで楽しむのが一番だろう。本書で再認識させられたのは、江戸(=東京)には坂が多いということ。都内を歩いて...
作家あ行

江戸文化歴史検定協会編「江戸諸国萬案内(中級)」の感想は?

本書は初級の語り口調を踏襲しています。十二の分野に関して、実在の人物を登場させながら、分野の紹介をする工夫は初級同様で、読み物としても単純に面白いです。豊富な図絵というのは初級、中級、上級を含めて共通のもので、3冊を合わせて繰り返し読めば、江戸時代の概略というのがおよそ見えてくるに違いありません。
作家や・ら・わ行

山本博文の「江戸の組織人」を読んだ感想と内容

さまざまな角度から江戸時代の武士組織を見てみようという概説本。こうした概説本は定期的に読み直すのがいいと思う。読むたびに新しい発見があるはずである。
作家あ行

磯田道史「殿様の通信簿」の感想は?

学者としては珍しいが、とても読みやすい文章を書く。だから、扱っている題材は地味なはずなのに、とても楽しく読める。これは幾度となく推敲を重ねた結果だろうと思う。
作家さ行

佐藤雅美の「将軍たちの金庫番」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント「江戸の税と通貨」→「江戸の経済官僚」改題。本書ではかつて書いた歴史経済小説の中の誤りを正直に認めて訂正している。こうした姿勢は好感が持てる。本書は江戸時代の経済通史である。なぜ小説家が?という疑問があるが、じつはこの分...
作家た行

外川淳の「直江兼続 戦国史上最強のナンバー2」を読んだ感想とあらすじ

2009年大河ドラマ「天地人」関連本。表題の通り直江兼続の事績を史料から様々な角度で紹介している。手頃で読みやすい内容となっているので、ドラマを見る際の参考になるだろう。
作家な行

新野哲也「謙信・景勝と直江兼続 義と愛の戦国武将」を読んだ感想

あとがきにも『ペンをとる前に、直江兼続の資料を漁った』とあり、たとえ題名が直江兼続だけを想定しているわけではない言い訳をしても、直江兼続を書きたいのは間違いない。それに、執筆時期と出版時期を考えると「天地人」絡みであるのは疑いようがない。
作家は行

深沢秋男の「旗本夫人が見た江戸のたそがれ」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント幕末の江戸城に近い九段坂下に井関隆子という旗本夫人がいた。彼女の存在を後世に伝える事になったのは、五年間にわたる膨大な日記である。日記は天保の改革が行われた天保十一年(一八四〇)一月一日から十五年(一八四四)十月十一日ま...
作家あ行

安藤優一郎の「江戸城・大奥の秘密」を読んだ感想

覚書/感想/コメント大奥というのは実際にどんな空間であったかというのは今もって(本書は2007年出版)よく分からないのが実情だという。大奥に勤める女性は、御杉戸から内のことは他言しないという誓紙提出が義務づけられており、この守秘義務が大奥の...