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小説(江戸時代が舞台)

作家は行

藤沢周平「本所しぐれ町物語」の感想とあらすじは?

本所のしぐれ町という架空の町を舞台にした、一風変わった物語。プロットがとても面白い作品である。長編ともいえ、連作短編ともいえる。
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藤沢周平「霜の朝」の感想とあらすじは?

「報復」は下男の立場から見た主家の変事を書いており、その下男がいかにして主夫婦の無念を晴らすかというものである。その下男・松平の「下男には下男のやり方がある」という思いは重く感じる作品である。

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藤沢周平「神隠し」の感想とあらすじは?

ごくごく短い短編を集めた一冊。特に、「告白」は十三頁、「三年目」は六頁というほとんどショートショートといって良い程の短さである。本短編集に収録されている短編の主人公達はそれぞれに何か鬱屈としたものを抱え込んで生きているのが多い。
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藤沢周平「春秋山伏記」の感想とあらすじは?

藤沢周平の故郷の習俗をモチーフにした時代小説としては異色の小説である。この異色さは、多くの時代小説が町を舞台にした市井ものであるか、武士の生活を描いた武家ものであるのに対して、本書がそのいずれでもない、社会風俗史的かつ地方史的な観点からの小説という点からもわかる。
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藤沢周平「橋ものがたり」の感想とあらすじは?

橋を舞台にした十の短編で構成されている短編集。それぞれに出会いと別れの場所になっている「橋」。この橋を印象的にかつ効果的に使っている優れた短編集である。

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藤沢周平「龍を見た男」の感想とあらすじは?

市井もの武家ものが織り混ざっている短編集。本短編集に収録されている作品で、コミカルなのが「逃走」と「失踪」である。「逃走」では銀助が行きがかり上連れ去ってしまう赤ん坊を巡っての結末が微笑ましい。
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藤沢周平「冤罪」の感想とあらすじは?

武家ものの短編集である。「唆す」「潮田伝五郎置文」が海坂藩もの。正確には、「唆す」は海坂藩が舞台にはなっていないが、主人公の仕えていた藩として登場する。
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藤沢周平「驟り雨」の感想とあらすじは?

市井ものの短編集である。この短編集には「捨てた女」や「泣かない女」のように不幸な女の話が多い。「ちきしょう!」に到っては悲惨ですらある。読後の後味決して良くはないのだが、悪くはない。後味の良し悪しよりも、別の感覚として、寂寥とした印象を受けた。
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池波正太郎「剣客商売番外編 第2 ないしょ ないしょ」の感想とあらすじは?

剣客商売の番外編第二弾。しかし、実質剣客商売第二巻と考えて読むと、後のシリーズに繋がります。さて、お福を連れて三浦平四郎が食べに行く先として、「鬼平犯科帳」でも馴染みの〔五鉄〕が登場します。また、剣客商売の世界なので当然といえば当然なのです...
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池波正太郎「剣客商売番外編 第1 黒白」の感想とあらすじは?

剣客商売番外編であるが、剣客商売シリーズの中では時系列的にこの作品が最初になる。若かりし頃の秋山小兵衛が描かれているからだ。そして、時系列的にはもう一つの番外編「ないしょ ないしょ」が本書の次に来る。そして、本編の剣客商売シリーズへと続く。
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池波正太郎「剣客商売 第16巻 浮沈」の感想とあらすじは?

シリーズ第十六弾。最終巻。長編とはなっていませんが、一話完結の短編集ではなく、それぞれが繋がっているため、ここでは長編として扱います。さて、本書では新たな夫婦が誕生します。お馴染みの登場人物ですが、果たして誰なのかは本書でご確認ください。ま...
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池波正太郎「剣客商売 第15巻 二十番斬り」の感想とあらすじは?

シリーズ第十五弾。短編"おたま"では、かつての剣豪が年をとり、昔日の面影をとどめない姿をさらけ出しています。小兵衛とは対照的ですが、その分だけに寂寥感の漂う作品です。"二十番斬り"の物語の最後では田沼意次の長男である田沼意知が斬りつけられま...
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池波正太郎「剣客商売 第14巻 暗殺者」の感想とあらすじは?

シリーズ第十四弾。「仕掛人・藤枝梅安」でお馴染みの香具師の元締、萱野の亀右衛門が登場します。「仕掛人・藤枝梅安」では、萱野の亀右衛門はすでに香具師の元締を引退しています。本作では現役の香具師の元締として登場する点で、「仕掛人・藤枝梅安」と「...
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池波正太郎「剣客商売 第13巻 波紋」の感想とあらすじは?

シリーズ第十三弾。大治郎・三冬夫妻に子供が生まれて、三冬の活躍の機会がほとんどなくなってきました。このことは仕方のないことですが、残念でもあります。さて、本作最後の「夕紅大川橋」は何とも寂しい話です。小兵衛も年をとり、昔からの剣術仲間内山文...
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池波正太郎「剣客商売 第12巻 十番斬り」の感想とあらすじは?

シリーズ第十二弾。このころでは大治郎が独自で事件にあたるようになっています。いつも父・小兵衛ならどうしたであろうかという自問自答が繰り返されるのですが、だんだんとその仕様が小兵衛に似てくるのがおかしいです。やはり親子なのです。「罪ほろぼし」...
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池波正太郎「剣客商売 第11巻 勝負」の感想とあらすじは?

シリーズ第十一弾。孫の小太郎が誕生して、秋山家もにぎわいはじめます。本書では、この小太郎の命名に関して、小兵衛がああでもないこうでもないと考えている姿が描かれており、これがおかしいのです。小兵衛が考えていた名前があるのですが、大治郎に言わせ...
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池波正太郎「剣客商売 第10巻 春の嵐」の感想とあらすじは?

シリーズ第十弾。シリーズ初の長編。今回は大治郎が窮地に立たされます。大治郎自身に嫌疑が及んでいるため、大治郎が先頭になって犯人捜しに出ることは出来ません。そのところがまどろっこしい大治郎であるが、父・小兵衛に任せるしかありません。しかし、小...
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池波正太郎「剣客商売 第9巻 待ち伏せ」の感想とあらすじは?

シリーズ第九弾。「或る日の小兵衛」では、小兵衛の行く先々でトラブルに見舞われます。この短編の最後を読むと、"小兵衛、そっちではないのだよ"とトラブルが暗示し続けている気がします。トラブルがここまで続くと、普通の人間なら出直そうと考え、家に戻...
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池波正太郎「剣客商売 第8巻 狂乱」の感想とあらすじは?

シリーズ第八弾。「仕掛人・藤枝梅安」でお馴染みの"芝の治助"の名前が登場します。もっとも、この本作で登場する芝の治助は、「仕掛人・藤枝梅安」でいうところの先代の芝の治助のようです。また、「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」でお馴染みの店「鮒宗...
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池波正太郎「剣客商売 第7巻 隠れ簑」の感想とあらすじは?

シリーズ第七弾。個人的に「剣客商売」の中では好印象の作品です。面白く感じた作品が多かったためだと思います。まず、盗賊としてどこをどう見込まれたのか、分からない傘徳の話などは、最初のうちコミカルな印象がある分だけ、最後の場面にはつまされるもの...