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小説(江戸時代が舞台)

作家さ行

佐伯泰英の「酔いどれ小籐次留書 第3巻 寄残花恋」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第三弾。題名の「寄残花恋」は「のこりはなよするこい」と読む。「寄残花恋」は「葉隠れに散りとどまれる花のみぞ忍びし人に逢ふ心地する」という西行法師の「山家集」の恋の歌をさらに凝縮した言葉。この葉隠れの歌から「葉隠聞...
作家さ行

佐伯泰英の「酔いどれ小籐次留書 第2巻 意地に候」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第二弾。前作から数ヶ月後。前作の最後で、「これは一体どうやってシリーズ化になっていったのだろう?」と首をひねってしまったのだが、なるほど、こうきたのですね。前作で赤目小籐次一人に御鑓を拝借され、藩の面目を丸つぶれ...
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佐伯泰英「酔いどれ小籐次留書 第1巻 御鑓拝借」の感想とあらすじは?

赤目小籐次は五尺一寸(一五三センチ)。禿げ上がった額に大目玉で団子鼻、両の耳も大きい。特徴的すぎる容姿である。はっきり言って格好のいいヒーローではない。
作家か行

風野真知雄の「耳袋秘帖 第5巻 谷中黒猫殺人事件」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第五弾。ことごとく性格の違う栗田と坂巻。今回は栗田が犬派で、坂巻が猫派ということが分かった。ここまで性格が違うにもかかわらず、段々と互いに親しみを感じ始めているようだ。もてない男・栗田が雪乃と結婚して、それに触発...
作家か行

風野真知雄の「耳袋秘帖 第4巻 深川芸者殺人事件」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント力丸だけが根岸肥前守鎮衛を「ひいさま」と呼ぶ。ひい爺さまのことではない、肥前守さまが縮まってしまったのだ。この力丸姐さんにスポットが当たる。力丸はもともと、芸妓になりたくなかった。寺子屋の師匠になって学問を教えたいという...
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風野真知雄「耳袋秘帖 第3巻 浅草妖刀殺人事件」の感想とあらすじは?

へぇ、といった感じの話。貧乏神は七福神の姉という話もあるそうです。姉は黒闇天女といって、この神に守られると、ほかのことはともかく、お金の方はさっぱりだとか。まさか、貧乏神が女性だったとは...。このネタ、そのまま時代小説に生かせるような気が...
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風野真知雄「耳袋秘帖 第2巻 八丁堀同心殺人事件」の感想とあらすじは?

シリーズ第二弾。今回は同心が殺されるところから始まります。一体何の目的があるのか。次の事件が起き、殺されたのはまたしても同心。が、いずれの同心も町での評判が悪い。一体誰が?根岸肥前守鎮衛は浪人の子です。幼名は河野銕蔵といいました。母が安生定...
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風野真知雄「耳袋秘帖 第1巻 赤鬼奉行根岸肥前」の感想とあらすじは?

「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵に、桜吹雪の遠山の金さん、それに水戸黄門の助さん格さんといった家来を加え、「耳袋」の珍談・奇談をからめる。隠し味にピリリと笑いなんかも。これで面白くないはずがありません。時代小説のツボを押さえまくったキャラクター設...
作家か行

海音寺潮五郎の「列藩騒動録」を読んだ感想とあらすじ

各騒動は年代順というわけではない。幕末の騒動から江戸初期の騒動までが散りばめられている。あるべき史実を丹念に追っている史伝である。

作家さ行

佐伯泰英の「長崎絵師通吏辰次郎 第2巻 白虎の剣」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント第二弾。長崎に戻った通吏辰次郎。幕府は長崎の締め付けを強くしようとしていた。阿蘭陀船の来航数を減らし、貿易の枠を減らすという方針に打って出そうである。長崎会所は生き残りを賭けて陳情に上がると供に、裏では阿蘭陀と組んで密貿...
作家さ行

佐伯泰英の「長崎絵師通吏辰次郎 第1巻 悲愁の剣」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント佐伯泰英最初の時代小説が本書。最初の題名は「瑠璃の寺」。文庫化に際して題名を「悲愁の剣」とした。ほぼ同じ時期に密命シリーズ最初の「密命 見参!寒月霞斬り」を上梓している。主人公の通吏辰次郎(とおりしんじろう)は六尺二寸(...
作家さ行

佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙 第23巻 万両ノ雪」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第二十三弾近頃顔を見せないでいた笹塚孫一が顔を出した。というよりも、本書の前半分は笹塚孫一が主人公である。六年前に起きた事件が再燃し、笹塚孫一が活躍するというものである。磐音も絡んでくるが、驚きの絡み方をする。こ...
作家ま行

松井今朝子の「吉原手引草」を読んだ感想とあらすじ

第137回直木三十五賞受賞作品。ある「客」が花魁・葛城について関係者に話を聞き回るという筋立て。全てが一人称で、目次のとおり基本的に十六人の視点から葛城が語られる。
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第8巻 炎上」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第八弾。題名のとおり、炎上する。どこが。もちろん吉原である。天明七年(一七八七)。十一月九日、暁卯刻過ぎ、吉原角町より出火、廓中残らず焼亡したという。伏線が色々なところで張られている。吉原流の仕来りを重んじた遊び...
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第7巻 枕絵」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第七弾。復権はあり得ないにもかかわらず蠢く田沼派の残党たち。その牙は老中になったばかりの松平定信の側室に向かった。前作では幹次郎が旅に出たが、今回は汀女も一緒の旅である。同行者は番方の仙右衛門と、山口巴屋の手代か...
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第6巻 遣手」を読んだ感想とあらすじ

シリーズ第六弾。神守幹次郎にとって吉原にきてから初めての旅となる。旅先は信州。滅多に旅をしない四郎兵衛や新角楼の主・助左衛門にとって、雨が降っていても楽しい旅だが、幹次郎にとっては逃避行を続ける中で味わった雨の冷たさが身に凍みており、その当時の辛さを思い出すようだ。
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第5巻 初花」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第五弾。短編集というか、連作短編集というか。面白い人物が登場する。身代わりの左吉という。人の身代わりになることを商売としている男である。この身代わりの左吉が本書の中で度々登場する。この左吉は今後もこのシリーズの中...
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佐伯泰英の「吉原裏同心 第4巻 清掻」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメントシリーズ第四弾。吉原最大の危機。四郎兵衛会所が新任の隠密廻り同心によって機能を奪われた。裏には、昇進をもくろみ金子を入りようとする北町奉行。そして、さらに後ろには一橋治済がいた。四郎兵衛ら会所の連中は吉原の自治を取り戻す...
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第3巻 見番」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第三弾。題名の「見番(けんばん)」とは女芸者、幇間などの運営業務を請け負っている総合窓口をいうらしい。この見番が吉原を牛耳ろうとして策動するところから今回の題名となっている。裏で糸を引いているのは一橋治済。どうや...
作家さ行

佐伯泰英の「吉原裏同心 第2巻 足抜」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメントシリーズ第二弾。表題の「足抜」だが、廓(つまり吉原)から逃亡することを意味する。小説で描かれるのは、吉原大門から通いのお針子などの姿に宿して逃げるといった様なものが多く、たいていは吉原大門からの逃亡劇ということになる。こ...