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小説(戦国時代が舞台)

作家は行

火坂雅志の「天地人」を読んだ感想とあらすじ

題名の「天地人」だが、見出しの後に書かれている「北越軍談付録 謙信公語類」から取ったようだ。輝虎(謙信)公の曰く。天の時、地の利に叶い、人の和ともに整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。
作家た行

童門冬二の「小説 直江兼続 北の王国」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント上杉景勝を支えた直江兼続を描いた小説。直江兼続の幼少期のことはよく分かっていない。なので、本書もそこは書かれていない。よく分かっていないが、景勝には幼い頃から側にいたようである。推挙したのは上杉謙信の姉・仙洞院だといわれ...
作家さ行

笹沢左保の「浅井長政の決断 賢愚の岐路」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント「華麗なる地平線」改題。浅井長政を描いた作品である。もともとの題名「華麗なる地平線」は浅井長政の祖父・浅井亮政が死の間際に見た夢から来ている。亮政の夢に竜が出てくる。この竜は浅井長政であり、竜の消えた後に広がる地平線が題...
作家さ行

澤田ふじ子の「惜別の海」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント文禄・慶長の役の無惨な姿を、石工衆を率いる地侍・大森六左衛門らの目を通し、豊臣秀吉に筆誅を加えた作品。文禄・慶長の役とは豊臣秀吉による朝鮮侵略のことである。物語は文禄の役の六年前から始まる。確かに豊臣秀吉に対しては筆誅が...
作家や・ら・わ行

和田竜「のぼうの城」の感想とあらすじは?

脚本「忍ぶの城」を小説化したのが「のぼうの城」である。舞台は秀吉の北条氏討伐で唯一落ちなかった忍城(おしじょう)の攻城戦。この忍城の攻防戦自体がかなり面白い。十倍を超える敵を相手に一月以上も籠城を重ね、ついに落ちなかった。

作家か行

風野真知雄の「水の城 いまだ落城せず」を読んだ感想とあらすじ

豊臣秀吉の小田原征伐の時に、最後まで落ちなかった忍城(おしじょう)攻防戦を描いた作品。石田三成が水攻めをして失敗したことで有名となった城である。とても面白い題材で、忍城を一度見に行ってみたい気にさせられた。

作家ま行

宮本昌孝の「青嵐の馬」を読んだ感想とあらすじ

短編集。許婚を殺された勝子の仇討の話が「白日の鹿」、忍城の甲斐姫を扱った話が「紅蓮の狼」、徳川家康の甥で後北条家を継いだ保科久太郎の話が「青嵐の馬」である。
作家か行

海道龍一朗の「乱世疾走 禁中御庭者綺譚」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント丸目蔵人佐長恵物語の早い段階で、上泉伊勢守信綱が登場することから、「真剣」の続編かと思ってしまった。丸目蔵人佐長恵が登場したので、「ははーん、今度は丸目蔵人佐長恵を主人公とした剣豪小説か」と思ったのだが、それにしても、題...
作家あ行

岩井三四二の「十楽の夢」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント長島一向一揆を題材とした小説です。長島は七つ島がなまったものと言われているそうです。主人公の坂田弥三郎の家の坂田家は交易商人の家です。物資を東西に運んでいき、商売をしています。そして、この物資を運ぶのは海運です。戦国時代...
作家た行

岳宏一郎「群雲、関ヶ原へ」の感想とあらすじは?

物語は上杉景勝の会津移封からはじまります。その後、豊臣秀吉が死んで、関ヶ原にいたるまでの諸大名の悲喜こもごもを描ききった、文字通りの「大作」です。こういう描き方もあるのだ、と思わず唸ってしまう構成になっています。主要な登場人物だけで五十人以...
作家か行

風野真知雄の「われ、謙信なりせば 上杉景勝と直江兼続」を読んだ感想とあらすじ

表題では上杉景勝と直江兼続を描いた作品のように思えるが、メインは直江兼続。直江兼続は幼名を樋口与六といった。十になった時、謙信の姉で景勝の母・仙洞院が近習として召し抱えた。以後、かわることなく景勝を支えてきた。
作家は行

火坂雅志の「虎の城」を読んだ感想とあらすじ

藤堂高虎を主人公とした小説である。藤堂高虎といえば、あまり良い評価をされていないことが多い。他の小説などを読むと分かるが、たいがいは悪く描かれることが多い。これに対して、筆者は言う。
作家あ行

梓澤要の「遊部」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント遊部は「あそべ」と読む。古代において「部民(べのたみ)」とよばれる職能集団があった。特殊な物資などを生産して貢献する部族で「遊部(あそびべ)」もそうした一つだった。遊部は古代の葬送儀式に関わる呪術集団だったようである。や...
作家あ行

岩井三四二の「逆ろうて候」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント戦国時代に活躍した斎藤家五奉行の一人、日根野備中守弘就を主人公とした小説です。本書は「浪々を選びて候」を文庫化に当たって「逆ろうて候」に改題したもの。「浪々を選びて候」だと、ちょいと風流な感じがしないでもないので、「逆ろ...
作家や・ら・わ行

山本兼一の「火天の城」を読んだ感想とあらすじ(映画の原作)

第十一回松本清張賞。織田信長の最後の居城・安土城をつくった職人たちの物語。天主を担当した岡部又右衛門以言、岡部又兵衛以俊の親子を主人公としている。安土城は謎に包まれている城である。

作家さ行

司馬遼太郎の「尻啖え孫市」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント雑賀孫市。本姓が鈴木であるため鈴木孫市とも記されることが多い、また諱を重幸というので、鈴木姓の中で代々に「重」をつける習慣になっている家には孫市の子孫を称する家が多いそうだ。付け加えると、孫市ではなく「孫一」と表記するこ...
作家あ行

池波正太郎の「戦国幻想曲」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント渡辺勘兵衛了。阿閉淡路守、中村一氏、増田長盛、藤堂高虎と仕えた武将です。最初の二人には勘兵衛自ら愛想を尽かして出て行きました。阿閉淡路守は小心者で日和見の男、結果として懸けるべき人物を誤り亡びてしまいます。先見の明がなか...
作家や・ら・わ行

山本兼一の「白鷹伝-戦国秘録」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント浅井久政、長政親子、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と仕えた天下一の鷹匠・小林家鷹(家次)を描いた作品。「白鷹伝」から始まり「火天の城」「雷神の筒」と続く「信長テクノクラート三部作」の一作品。テクノクラートとは、政治経済や科...
作家あ行

安部龍太郎の「関ヶ原連判状」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

覚書/感想/コメント関ヶ原の戦いでは、東軍と西軍のどちらにつくか。大名はそれぞれの思惑から揺れ動いた。本書はそうした思惑の中で動いている細川幽斎を主人公にしているのだが、この思惑のスケールが違う。その思惑も、作者が数々の史料の中から読み解き...
作家あ行

荒山徹の「高麗秘帖-朝鮮出兵異聞-李舜臣将軍を暗殺せよ」を読んだ感想とあらすじ

覚書/感想/コメント朝鮮水軍の李舜臣がいったん階級を剥奪され、再び攻めてきた日本軍に対抗するために、再度朝鮮水軍を率いるまでの短い期間を舞台にした伝奇小説である。具体的な期間は、慶長の役のあった一五九七年の七月十八日から約二ヶ月間である。あ...