海音寺潮五郎の「かぶき大名」を読んだ感想とあらすじ
覚書/感想/コメント豪快・豪傑の人物を扱っている。よくもまぁ、これだけ沢山の頑固者、偏屈者がいたもんだと思ってしまう。最初の「かぶき大名」が約一五〇ページと長く、中編といってよい。この水野藤十郎勝成は、とんでもなく気の荒い武者である。が、多...
歴史上の事件を扱った短編集である。「逆軍の旗」は明智光秀を扱い、「上意改まる」「二人の失踪人」は藤沢周平の郷里の歴史を題材にとったものである。最後の「幻にあらず」は上杉鷹山を主人公とした短編である。
一連の忍者ものも本書で終了となる。本書では懐かしの於蝶が再登場し、また丹波大介も登場する。当然この二人が中心となって物語が進む。丹波大介は壮年の忍びとして脂がのってきたところであり、於蝶は半分伝説と化している老忍びであるところが本書にアクセントを加えている。
豊臣秀吉が没してから、関ヶ原の戦いまでが本書の舞台である。話の視点は常に徳川家康とは反対の立場から描かれている。石田三成の家臣・島左近や真田昌幸・幸村親子の視点からというようにである。
北条早雲に始まる北条家が、豊臣秀吉によって滅ぼされる小田原攻めを舞台にしている。この北条家を豊臣秀吉が征伐する要因になったのが、北条家による真田昌幸の領する名胡桃城攻撃である。